きみのとなり


私は拓ちゃんに気付かれないくらいの小さなため息をついた。


裕介は食べたあとすぐに寝ちゃって…



拓ちゃんがおんぶしている。




「じゃあな。おばさんに本当うまかったって言って」



「うん。分かった。じゃあね…おやすみ」



「おやすみ」



私は裕介をおんぶする拓ちゃんの背中を


ドアがパタンと虚しい音をたてて閉まるまで見送った。





拓ちゃんが…




遠い。




今日も何だか…




遠い。




いつからかな?




遠く感じるようになったのは




いつからかな?




ご飯を一緒に食べる回数が減ったのは



いつからかな?



一緒にいることが珍しくなったのは…





いつ……




だったのかな…?




拓ちゃんの隣が



私の特等席ではなくなったのは……





いつ…




かな?








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