きみのとなり


支度が遅くて、リビングで待ってた裕介にガミガミ言われた。


そのガミガミはマンションを出た今も続いている。




「まったく!未来は遅いんだよなぁ!」



「遅いって、まだ時間全然間に合うもん!」



「うるさいうるさい!とにかく未来はおっそいって…あんちゃん!」



「え?」




あんちゃん?



って…もしかして…




「あ、裕介君!」



「鈴木君!?」




何で?どうして?




「おっはよう!あんちゃん!」


「おはよ。上原も」



「おはよう…」




どうして、鈴木君が?



キャッキャッとはしゃぐ裕介と話していた鈴木君は、私の視線に気付き、ニコリと微笑んだ。




「何でって?」



「へ?」



鈴木君はクスクス笑う。



「…俺、彼氏でしょ?」



「…あ……」



「うん。だから、彼氏らしいことしようかなって」



顔が…熱い…




『彼氏らしいこと』



だって、なんだかフワフワしちゃう。




「上原」



「未来!行くぞ!」



「あ、うん」




私は熱い頬を手で冷やしながら、裕介と鈴木君について行った。





< 170 / 338 >

この作品をシェア

pagetop