きみのとなり


きゃはきゃはとはしゃぎながら、目の前を小学生が通り過ぎた。



男の子と女の子。



二人は手を繋ぎながら二人で走って行った。



昔は……



私と拓ちゃんも当たり前のようにああやって手を繋いで一緒に帰ってたっけ。




離れないように、離さないように……





「…わからないの……」



「何が?」



「…鈴木君のことちゃんと好きだよ。……でも」



でもね…




「拓ちゃんのこと好きじゃなくなったなんて嘘で、常に想ってる自分がいて…」




私はピタリと足を止めた。




去って行く二人の小学生を見つめる。




「気持ちがはっきりしないの。二人共好きなの。でも…拓ちゃんを想うことは辛いから、早く鈴木君だけを見ることができたらいいのに…」




好きじゃない



幼なじみでも何でもないよ



もう…関係ない




ただの先輩と後輩




そう言いたいのに。




消えなくて…



拓ちゃんの隣にいた日々が…







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