きみのとなり


「なに!?勉強のことなら明日からでしょ?それに私は拓ちゃんにお願いすること、了解してないもん!」


「おじさんとおばさんに頼まれたんだから仕方ないだろ?もう冬休みだろ。ちゃんと勉強するべきじゃないの?」


「っ~」


ずるい。

お父さんとお母さん出されたら逆らえない。



でも、今日は……



「……分かった。明日からちゃんとする。でも今日は、拓ちゃんとは帰らない。先に帰って。斗真君と帰るから。」


「……分かったよ」


そう言って拓ちゃんは襟足をポリポリかいて歩き出した。



「……ごめんね…」


「いや、嬉しかったよ」


「え?」


「未来が俺を選んでくれた。それだけでいい」


斗真君はまた微笑む。



うん。


ちゃんと、好き。


斗真君のこと、ちゃんと好き。



「ありがとう。」



私は自分から斗真君に駆け寄り、手を繋いだ。



うん。


これが、ほんとの気持ちだよ。




大丈夫。


大丈夫。




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