きみのとなり
「お母さーん。拓ちゃん呼んで来たよ」
「じゃあもうすぐ来るわね」
「うん」
私は携帯をいじりながら
おかずが運ばれてくる席まで移動した。
「あ…」
まただ。
「ちょっと未来!あなたも手伝いなさい!」
「あ…はいはい」
怒られた私は携帯をパタンと閉じてお母さんが作るおかずを食卓に並べた。
「こんばんはー」
「あ!」
こんばんはの声を聞いて私は玄関に飛び出した。
「こら!未来!」
お母さんなんて無視無視。
私は笑顔で拓ちゃんを迎える。
「いらっしゃい!拓ちゃん!!」
「おう!」
拓ちゃんは靴を脱ぎながら私の頭をポンポンしてくれる。
もーう…幸せ!
「おい!未来!」
拓ちゃん…幸せ…
「おい!」
「った…!何!」
私は少し目線を下げて、足にパンチを入れてきた少年を睨んだ。