きみのとなり
ずっとずっと
拓ちゃんの隣は私の特等席だったのに。
やっぱり、中学生と高校生じゃあ
違いがありすぎるんだ。
見かけも
精神的にも。
1度だけあったことのある拓ちゃんの彼女、河野美和さん。
サッカー部のマネージャーをしてて
そこで拓ちゃんと仲良くなって…
いつの間にか付き合ってて…
初めて会った時にアドレスを聞かれた。
それがこうやって私を利用するためだったなんて
知ったのはすぐだったな……
それでも、彼女は女の子で…かわいくて…
拓ちゃん…私のこと、女の子として
見たことある?
「未来~?裕介に唐揚げ食べられちゃうぞー」
「…あ…うん…今行く!」
私は河野さんに
『わかりません。ごめんなさい』
とだけ打って携帯を閉じた。