雪の雫に濡れた夜
ガタン

 突然、大きな音を立てて店の裏にある扉が開き、
 ハッとなった。


 店の奥に行くと、扉の所に、斗哉がいた。


 左腕を、血に染めて。


「斗哉!どうしたの!?」


 斗哉は、駆け寄る私の頭を引き寄せ、

「大丈夫。心配するな、シュイ」

 耳元で囁く。


 いつもの斗哉の匂いに混じり、血の匂いがした。


「…大丈夫、って、だってこんなに血がー…」

「裏通りで、喧嘩に巻き込まれただけだ。この街じゃよくある事、ーだろ?」

「うん、…でもー」





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