雪の雫に濡れた夜

静かに降り積もる、雪の空。
 
明かりの消えた《スピカ》



慎が、

 好きなだけ飲んで、
 好きなだけ泣け、と

一人にしてくれた。




カララン

《スピカ》の扉が開く音が鳴り、
 慎かと、顔も上げずに、カウンタ―で寝たフリをしていたら、


「何やってんだ、シュイ」


 聞き慣れた、

 愛しい声。





< 30 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop