Loved you...


再び2人に戻る保健室。

真樹は出された課題に
手を出しはじめ、
杉崎もパソコンで書類製作に
とりかかった。

サラサラと
シャーペンを滑らせる音と
カタカタと
キーボードを叩く音は
2人の耳に自然に入る。

それは煩わしいわけでなく
とても心地好い空間。



杉崎はたまに
ソファに座っている
真樹をチラリと覗いては
“あいつが幸せなら”と
静かに考えていた。






一方その頃。


「ただいま」

美羽が教室に入ると
すぐに茶髪の女達が寄ってくる。

「おかえりー」
「心配したよー」
「まじで?
心配かけてごめんねー」

ケラケラと軽いノリで
ギャル達の相手を素早く済ませ
美羽は悠の元へ行く。

「何?勉強してんの?」

教科書とにらめっこしてた悠は
突然の美羽の登場に驚いた。

「びっくりした…
お前保健室いたんじゃ…」

「さっき帰ってきたの」

教科書を片付けて
美羽に向き直る悠。

そんなちょっとした行動が
とても嬉しく感じた美羽。

そして口を開く。


「あたしと付き合ってよ」
「…は……?」


陰険に眉を寄せる悠。
そして美羽は続ける。

「あたし諦めるなんて
性に合わないみたいだから
あたしとも付き合ってよ」


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