〖完〗子ども警察官の精華
 一回茶碗と、箸をおいた。


――もう、逃げられん。逃げたらだめやから。――

 鼓動が早くなる。

 今にも押しつぶされそう。


「うち・・・ホシが分かった。」

 やっと言えた言葉だ。

 言った瞬間、大泣きした。

「大丈夫か。」

「はい・・・。DNA鑑定をお願いします。」

「分かった。学校どうする?」

「ちゃんと行きます。」

 精華は涙を慌てて拭いた。

 目が赤くなった。

 疑われないように、気をつけなきゃ。


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