【完】ポケット-幼なじみ-
中高一貫のここの高等部は中等部の時の幼さが少し残っていた。
だから席とかも隣とピッタリ付けたりする。
そして、隣のはる君を見るとお腹を抱えながら笑っていた。
はる君を睨みながら
「大丈夫です。すみません。」
と頭をさげて言うと先生は
不気味な笑顔をこちらに向けて
「じゃあ、この問題を解いてみろ」
と教科書にかいてあった私の嫌いな数字を指差した。
どうしよう。
数学は……苦手なのに――…
そう思いながら黒板の方に戻った先生を見る。
「そんな顔してもだめだ。
俺の話をちゃーんと、聞いていたなら………答えられるよな?」
と、にんまりと笑っていった。
その顔はまるで童話にでてくる魔女とかの悪者のようで。
あまりにも恐ろしくて、一瞬身震いをしてしまったほどだった。
どうしよう、
そう思いながら横で余裕そうに欠伸をしているはる君を見た。