【完】ポケット-幼なじみ-
「そんなことないよ」
むきになってそう言葉を返すけれど、
からかわれてはいるけど一応、困ってた私を助けてくれた。
「…ありがと」
と少しだけ顔を赤らめながら言うとベシッとおでこに痛みが走る。
「い…った」
デコピンされたおでこを手で抑える。
「ばーか」
頬に手をやりながら、はる君はそう言い残して人込みの中から出ていった。
チーム表に目をやるとBチームで千夏と一緒だった。
それだけを見てから一生懸命、人込みの中から出る。
すると、千夏がどうだった?と聞くように首を少しだけ斜めにする。
「一緒だったよ!」
笑顔でそう言うと千夏も笑顔になり、また、笑い合った。