【完】ポケット-幼なじみ-
ピーッ
いつの間にか
青空の下で先生が思い切り
笛を吹いて試合が終了していた。
「みたみた?菜緒のシュート!
さすがサッカー部って感じだったね。
うちらも勝とうね。練習だからって手なんか抜かないよっ」
隣で興奮しながら話す千夏。
「え、あ…う、うん。」
まさか…
見てなかったなんて言えない。
「どうせ見てなかったんでしょ?
だって私が話し掛けても…あゆ、ずーっと上の空だったもん」
千夏が唇を少し尖らせていう。
「…ゔ。………ごめん。」
…千夏には、大体嘘はつけない。
心を読み取られてしまうから。
「今日のあゆ、変だよ?具合悪い?」
「だ、大丈夫」
そう言って笑顔をみせる。
「ならいいけど、試合中は危ないからしっかりね!」
「うん」
そう返事し立ち上がって、Bチームのメンバーの所に行った。