【完】ポケット-幼なじみ-




いつもそう。



私が困ってるときに必ずあらわれてくれて。





ざわざわと皆が動揺してるのにも関わらずあなただけは冷静でたくましくて。






「どうしたんだ?」





さっきいなかったはずの先生が後ろから声をかけてきた






「先生。急に倒れたんで…俺、保健委員として保健室に運びますから安心して授業続けて下さい」



はる君がそう言う。



「あぁ……。」




何がおこったのかわからない、という顔をしながら先生は返事をして手をパンッと叩く、






一瞬で周りは静かになって





「授業再開ー」と先生が叫ぶ。







はる君は千夏を



軽々しく抱き抱えて歩いていく。




こんな時にすごい最低なやつだなって思われるだろうけど…お姫様抱っこされてる千夏が少しうらやましく思えた。





違う違う…好きなんかじゃない。



みとめない………認めちゃだめなんだよ、自分。







そう言い聞かせて




首を横に振って授業が再開した。
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