【完】ポケット-幼なじみ-
ボールを持った千夏に手を挙げて合図をすると千夏は少し頷く。
そして自分にパスが
回って来て攻めにいこうとすると
―――――――バタンっ
大きな鈍い音がした。
それと同時に周りの人達の
動きが一瞬止まってざわつく。
恐る恐る後ろを振り向く。
「…………ちなつ!」
倒れ込んでいる千夏を見てボールを放ってすぐさま駆け寄る。
「…千夏!!」
よんでも全く返事が
返って来なくて嫌な汗が流れる。
…………………先生は?
周りみてもさっきまでいた先生の姿は見当たらない。
こういう時に限って………
どうしよう………………
「どいて。」
肩をポンっと誰かに叩かれて我にかえる。
「――――はる…くん…」
――――やっぱりはる君だった。