【完】ポケット-幼なじみ-
先輩ははる君とは違う甘い香りがする
そういえばはる君帰ったよね……?
腕の中でぱちぱちと瞬きを繰り返す。
でも不思議――…
戸塚先輩の腕の中は安心する
けれどドキドキはしない。
「………なんて顔してんの。」
先輩は私の耳の上でつぶやき
さらにぎゅっと力を入れた。
「せ…んぱ……苦し……い…です……」
そういいながら先輩の背中をぺちぺちと叩く。
「…黙って。…黙らなきゃキスするよ」
…………キス?
耳元でそんなことを言われ
耳から顔が赤くなっていく。
そういえば戸塚先輩には近付くな、的なこと誰かに言われたような気がする―
やっぱり戸塚先輩は噂どおり、女遊び激しいんだ……
好きでもない人とキス出来ちゃうなんて…
普通は……出来ないよ…………