【完】ポケット-幼なじみ-
しょうがないから黙っていると
「そんな急に黙らなくても。」
と先輩は何故か笑っていた。
ていうか…いつになったら
離してくれるつもりなんだろう。
こんな……抱き合っているトコ
誰かに見られたら勘違いされちゃうよ―――…
「………歩夢ちゃんって…いじめたくなるよね。」
再び顔全体が真っ赤に染まる。
な、何言ってるんですか!!!
この先輩は………
「……可愛い……歩夢ちゃん。」
そう言って先輩は私の耳を甘噛みする
「…………ひゃっ」
――――――――――カタン
び、び、びっくりした…………
っていうか今、どこからか
音が聞こえたような気がする――
…………………気のせいかな?
「もっと…いじめたくなる」
と戸塚先輩はボソッと呟いた
とんでもない先輩だ……
「歩夢ちゃんは…水瀬くんと付き合ってるの?」
"水瀬"―――それだけで胸が
ぎゅうって締め付けられる感じ
「いえ………た…だの…………幼なじみです……」
そう言った瞬間――胸辺りがズキズキ痛んだ