【完】ポケット-幼なじみ-
急いで自転車を用意し
「学校までとばすから一人で落ちるなよ。」
と私に向かって言ったはる君。
そんなはる君の自転車の後ろに
座って制服のシャツをそっと掴む。
「もし、落ちそうになったら、はる君巻き込むから心配しないで」
「余計、心配だっつーの。
しっかり、つかまっとけよ。」
――ドキンっ
はる君に手をつかまれ腰に手を
回させられて心臓が跳びはねるように大きく鳴る。
そんな私の気持ちも
知らずに自転車が走りだす――…