もう、お前しか愛せない
そう言った。

私はもう無理だった。

「無理だよぉ…」

「絢?」

「何で始めから私のこと信じないの?律ちゃんを疑いたくなかったからでしょ?」

「あ…や?」

「律ちゃんへの気持ちが、まだ少し残ってるんじゃないの?」



隆平くんは、黙ってしまった。

「え…?」


私は軽く、冗談のつもりで言った。

それが、それがまさか…


「本当に?」



私は驚きを隠せない。

後ろにいた卓ちゃんが私達の元へ歩み寄ってきた。


そして、隆平くんの胸倉を掴んで。

「ふざけんな…」


一言言って殴った。

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