さくらんぼ―隣同士の私と君―
☆第一章☆
届きそうで届かない。
近くにいるのにつかめない。
思わずため息をついた。
「戸田くん…」
斜め前の席の
戸田コウチくんは
私の大好きな人です♡
もっと近い席になりたいなぁ。
早く席替えしないのかなぁ。
もし隣になれたらどんなことしゃべろう。
どうやってしゃべりかけよう。
まだしゃべったこともない戸田くんの
イメージ像を膨らませて
一人でニヤけた。