好きだと、言って。①~忘れえぬ人~

全てを話し終えた浩二の、肩の荷がおりたような、この妙にスッキリした表情。


なんだか、ムカツク。


やっぱり、ムカツク。


ぜったい、ムカツクっ!!


「……浩二」


ムカツキ指数がマックスに達した私は、ドスの利いた声で唸るように浩二の名を呼んだ。


「うん?」


って、首を傾げるその表情も爽やかですね、浩二君。


すうっ。


私は、大きく一つ深呼吸して、右手をグーに握りしめ、


そして。


浩二の左頬目がけて、思いっきりグーパンチを繰り出した。
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