好きだと、言って。①~忘れえぬ人~

「ハルカ、久しぶりだね。

また、遊びにきたよ」


三池ハルカ、享年二十五歳。


墓石に刻まれた、もう年を重ねることがない大切な友の名を、そっと指先でなぞっていく。


墓石の周りには今も尚、色とりどりの花が手向けられ、生前のハルカの人柄を忍ばせている。


その中程にポツリと供えられているのは、赤いリンゴ飴。


大振りのリンゴ飴は、夕日の柔らかい光を受けて、深い赤に染まっていた。


「浩二が来たんだね……」

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