好きだと、言って。①~忘れえぬ人~

『良い男で、良い夫』かぁ……。


私も、その意見には、異議なしなんだけどなぁ。


彼ならば、結婚しても態度が変わるなんてことは、まずないだろうし、


子供が生まれても、きっと厳しくて優しい父親になるだろうって、そう思う。


結婚相手として、これ以上を望むべきもないほどの、『いい人』なんだけど……。


なのに。


なんで、こんなに煮え切らないんだろう、私ってば。


「はぁあっ……」


夜、アパートに戻った私は、妙な疲労感に襲われて、居間で風呂上がりの缶ビールを飲みながら、大きなため息を一つ吐き出した。


テーブル代わりの明るい木目の家具調コタツに、二人掛けの淡いブルーのローソファー。


そのローソファーに背を預けて、両足を『う~ん』と、前に投げ出す。


目の前に置かれたサイド・ボードの上のテレビからは、本日のスポーツニュースが流れてくる。


ちょうど、地元で行われたプロサッカーの試合のダイジェストらしい。

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