好きだと、言って。①~忘れえぬ人~

あの二人は、きっと幸せにやっているんだろうな……。


また。


心の奥に、ズキンと鈍い痛みが走った。


まったく。


いつになったら、この痛みは消えてくれるんだろう。


我ながら、往生際が悪いというか何というか。


それとも。


叶わぬ思いほど、時と共に薄れずに、募ってしまうものなのだろうか?


「ハルカが、どうしたの?」


『ああ。口止めされてたんだけど……。三池、今、中央病院に入院しているんだ』


「――え?」


ニュウイン?


一瞬、何のことを言われているのか分からずに、ポカンとしてしまう。


でも、『中央病院に』の単語で、その言葉の意味に思い当たった。


「入院って、なんで!? ケガでもしたの!?」


あまりに思いがけないことに、声がワントーン跳ね上がる。


色白で小柄で、華奢を絵に描いたような子だったハルカ。


入院だなんて、ベッドの上に寝ているハルカなんて、痛々しすぎて想像したくない。

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