空悟~大切な君~
「海斗…」
羨ましがったってもう野球なんて出来ない。空悟がいる限り…。こんな事なら空悟なんて…。
「海斗」
純太の声に顔を上げると、純太が俺にグローブを一つ投げて来た。
「キャッチボールしようぜ」
純太もグローブを持って誘う。
「ああ…」
数メートル離れて純太とキャッチボールを始めた。野球部にいた頃は毎日やっていたけど、久し振りに純太とやるキャッチボールは楽しくて嬉しかった。ボールがグローブに当たる音と、投げた後にすぐ返ってくるボール。全てが楽しい。
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