キミを抱く
20分くらい待っても
返信は来ない
まだ仕事が
終わってないんだ
別に
特別な何かを期待してた
ワケでもないのに
残念なキモチになって
何かを諦めるように
ノロノロ
ベッドから起き上がり
クローゼットの前で
Tシャツとジーンズに
着替えた
部屋を出て
階段を降りて
リビングのソファーで
隣に置いてあったから
なんとなく
新聞を広げたら
「わぁっ!」
って
キッチンから
リビングへ入ってきた
お母さんの
短い叫び声が響いた
そのまま
新聞を広げてたから
私の目の前には
モノクロの
小さな文字たちだけ
「なに?
あんた帰ってきてたの?」
文句を言うような口調と
カタンって
テーブルに皿を置く音
この家で私は幽霊だ
居ようが居まいが
なかなか気づかれない
我が家の
キッチンとリビングは
繋がっているのに