白い吐息
琴は真っすぐ前を向いた。

「具合、悪いの?」

アパートの前に真人が立っている。

「嘘ついちゃった」

「目、赤いね」

「朝起きたら真人が居なかったんだもん」

微笑む琴。

「それも嘘くさい」

真人も笑う。

「ねぇ、真人」

「ん?」

琴は思い切り走って真人に飛び付いた。

「大好きだよ…」

そう温かく呟いた琴を真人は強く抱き締めた。




「オレも…」


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