白い吐息
「幸いすぐに病院に搬送されて命は取り留めたけど…」
「けど?」
「なんか別人になったみたいだった…」
別人……?
「あの事件以来、真人は両親と少し距離を置いてるみたいなんです」
何で……?
「詳しいことはオレにも分からないけど、たまに何の連絡もなく学校休んだりするんですよね」
自殺未遂―
何かが気になる―
何故―
嫌な予感―
「屋上でする話じゃなかったですね。しかも昼飯時に」
戸部はしゃがんで琴に謝った。
「ん…ううん。」
琴は何も返す言葉がみつからず、ただ首を振った。
「でも、先生には話して置きたかったんです」
「えっ…?」
「真人、先生のこと好きって言ってたから」
「えっ…ええ!?」
あまりの急展開に思わず大声を発してしまった琴だった。
「オレ、真人が人のこと好きだって言うの初めて聞いたんです」
戸部は真剣な顔をして琴を見つめていた。