白い吐息
「…」
真人は唖然とする。
「I'm so sorry I'm late.」
「琴……」
「また遅刻しちゃった」
琴はハニカミながらそう言うと、真人の側まで歩いてきた。
「…あっ…えー…遅刻しすぎじゃない?」
動揺しながらも真人は言葉を返す。
「だよね」
琴は真人の様子を見て笑った。
「…って、何してたの?」
「ずっと真人に恋してた」
「えっ?…」
真人は、もう何が何だか分からない状態だった。
「1年目で帰ろうとしたの。…でも、真人と結婚できる保証のある自分で帰ってきたくなかった。だから…真人が私を忘れたかもしれない頃に帰ろうって決めたの」
「なんだよ…それ」
真人は頬を膨らます。
「でも、嬉しかった」
琴は黒板の字を指差しながら笑った。
「琴のこと…忘れた日なんてなかった…」
「真人…」
真人は5年前のいつかと同じように、琴を優しく抱き締めた。
「琴…」
「なぁに?」
「Will you marry me?」
結婚してください…
「Of course.」
…