白い吐息
『白居先生、これは?』
『考えたんだよ。2人で出来る活動内容』
『……』
『そしたら、しりとりかソレしか思いつかなかった』
『訳すんですか?』
『しりとりよりかは面白いだろ』
『まぁ…』
『イギリスのバンドなんだ。全英チャート1位』
『私に出来るかな…難しそう』
『オレがついてるよ…』
「また遅刻…」
生物室の前に座って真人がすねていた。
「色々準備があったのよ」
琴は平静を装っていた。
「早く開けて」
「今度から自分で鍵取りに来てね。あなた部長だから」
と言って、琴は鍵を真人に渡した。
「部長!オレが?」
「だって、他の4人は1年生だし幽霊だから」
「…マジかよ」
そう言いながら真人はドアを開ける。
そしていつもの席にカバンを置いて、ちゃんと椅子に腰掛けた。
琴もいつものようにカーテンを開ける。
ふたりとも、今朝のことはなかったかのように淡々としていた。
やはり冗談だったのか…