なんで、みんな誰かの一番になれないんだろ?
タイブレイクにもなると相手も疲れが見え始め、ショットの威力が落ちていた。
でも俺は、粘り強さなら誰にも負けない。
転んで足が擦りむいても、どんなに息が上がっても、
ただがむしゃらにボールを追った。
端から見たらどんなにかっこ悪いプレーでも、いいよ。
とにかく俺は今、
勝ちたいんだ。
いよいよ、セットポイント。
あとひとつとれば、
俺の勝ち。
その瞬間、周りの音が何もなくなって
「絶対勝って!トーヤ」
亜子の声が、
聞こえた気がした。