【短篇】私と僕。~逆らっちゃダメ~
校門を出て、ユウマは笑いながら聞いてきた。


「手、引っ張る??」


「うん。引っ張って。」


「じゃあ、はい。」


差し出された手。


私は、指と指を絡ませる。


強く優しいユウマの手。

歩き方は、まだ少し不自然。


でも、二人の肩は並んで歩いてる。


「ユウマ。」


「ん??」


「どうして、『僕』って言ってたの?ホントウは『俺』なのに…。」


「ん~…。『僕』って言わないと抑えられなさそうだったし…。」


お…抑える…??


「どういう意味??」


「こういう意味。」


突然引っ張られ、唇と唇が触れた。


3秒もない短いキス。


「なっ…。」


「俺、もう彼氏だよね??俺も、男だよ??」


にこっと笑い、私に確認してきた。


「……っ。」


ペットだったくせに…。

でも…。


大好き。
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