冷たい雨に咲く紅い花【前篇】
「……やめるわけには、いかない。誰かがやらないと、闇が増えるだけだ。なら、俺がやる」
「なら、私は、傍にいる!」
「実織 !?」
今まで目を合わせようとしなかった紘夜が、私を見る。
「私が、紘夜の傍にいる」
もう一度、
まっすぐに紘夜を見て、言葉にした。
「何、言ってんだ。ふざけるな」
「ふざけてない!紘夜がやめないっていうなら、私は紘夜の傍を離れない」
「ーーな?なんで、そうなるんだよ…」
わけわかんねぇ、
と、紘夜は呟き、
逃げた男を追う事を諦めたのか、銃を後ろ腰に差し込んだ。
「……どうしてここに来た?」
「…逢いたかったから、紘夜に逢いたかったから、来た」
紘夜にしがみついたまま、私は答える。