冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

「もう、戻れないからな。言っただろう〝お前が今、行かなければ、俺はお前を手放せなくなる〟と」


「私も、言ったでしょう?〝じゃあ手放さないでよ〟って」


私がそう言うと、
紘夜は、フ、と笑った。



「……そう、だったな」

「うん」




「もう、離さない」


紘夜が、私を抱きしめた。






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