冷たい雨に咲く紅い花【前篇】

紘夜の呼吸が耳元をくすぐる。
紘夜の鼓動が聴こえる。


嬉しくて、また涙が溢れた。


「何だよ、また泣いてんのか」

「だって、」

「泣き虫め。先が思いやられるな」

「ホント、きっとこれからたくさん紘夜に泣かされるんだろうなー」

「おい、」

「でも、遠くで紘夜を想って泣くより、紘夜の傍で泣く方がいい」


「結局泣くのかよ」


呆れ気味に、紘夜が溜め息混じりに呟く。




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