冷たい雨に咲く紅い花【前篇】


安らぐ、
愛しい、実織の声。



だが、

今の状況では、最悪なだけだった。




「来るな!」


そう
叫んだところで、


遅かった。






実織の姿を捉えた緋刃の視線が、



不気味に輝きを増した。





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