ほら、笑って笑って
「…ふぅ。送信完了。」
ちらっと隼人さんを見ると、パソコンで画像のチェックをしているみたい。
一息いれようと立ち上がり、キッチンへ向かう。
そして電気ケトルにミネラルウォーターを注ぎお湯を沸かす。
「……あ。」
何気なく窓の外に目を向けると、ちらちらと粉雪が舞っていた。
どうりで、今日は冷え込みが厳しい。
ベランダの窓を開けて外に出てみると、寒さよりも久しぶりに見る雪に感動してしまう。
「…綺麗。」
差し出した手のひらに落ちた雪は、体温によってあっという間に溶けていく。
足元に降った雪も、その姿を残す事なく水へと変わる。
「これじゃあ、積もらないなぁ。」
独り言を呟きながら空を見上げていた時
――カシャカシャ
……え?
振り返ると、隼人さんがカメラを構えていた。