Au Revoir―再会―
――あぁ。久しぶりに7年前のことを思い出してしまった。
あれから女子大の非常勤講師となり、現在は、忙しくも充実した日々を過ごしている。
あのときの決断は間違っていない、と思っている。
そう思わないと、見知らぬ土地で一人ではやっていけなかった。
淋しい夜を過ごしたこともある。
涙で枕を濡らしたこともある。
でも、この想いは封印するしかなかった。
謙は、あたしの決断をどう思ったんだろう?
あのとき、謙は止めようとはしなかった。
謙が止めたからといって、あたしの決断は変わるものではなかったけれど。