Au Revoir―再会―
「おーい、聞こえてるか?七海、しっかりしろ!」
「はい、聞こえています!って、夢じゃないの?」
「違うよ。夢なんかじゃない。こうしたら信じてくれるか?」
ふわっと、後ろから謙の腕に包まれた。
「キャッ」
短い悲鳴とともに、心臓がバクバクと音を立て始めた。
こんなことくらいでドキドキしているなんて、謙に知られたくない。
また子ども扱いされるに決まってるんだから。
落ち着け、落ち着け。
「捕まえた!ずっと待ってたよ。おまえが大人になるのを」
耳元で、謙が囁いた。
「えっ、なんでこんなこと……」
上ずった声になる。
あたしは…あたしは……。
「七海が早く大人になるのをずっと待ってたよ。さすがに待ちくたびれた。
7年ぶりに会ったらこんなにいい女になってるし」
ぎゅーっと抱き締める腕が強まる。
「……」
「ホントいうと、今、俺、すごく緊張しているんだ。30過ぎたオッサンだけどな。真面目な話、オペより震えてるよ。なぁ、こっち向いてくれよ」
やだ……謙。
今は振り向けないよ。
だって、あたしボロボロだもん。
嬉しくて、嬉しくて涙が止まらない。