Au Revoir―再会―
灯台のある、岬の先端まで行ったあたしたち。
冬の海は凍てつくほどに、容赦なくあたしたちの体温を奪った。
ぶるぶると寒さで震えるあたしを謙はぐっと抱き寄せ、北風から防いでくれた。
あんな風に抱き寄せられたのは、あれが初めて。
きっと、あたしが寒そうにしていたから謙は優しくしてくれたんだと思う。
母親が子どもにするようなものだろう。
でも、その優しさがあのときは辛かった。
『寒くて鼻水出てきちゃった』なんて言ったけど、本当は違ったんだ。
涙が出そうになったのを誤魔化したあたし。
謙は、きっと気付いていたよね。