~幕末恋華~
「――っ!?」
あ…っ。
「……。」
ひ…人を、殴ってしまった…(苦笑)。
…いや、でも向こうが悪いんだし!
勝手にスカートを掴むなんて…最低!
「こッ、こいつ…ッ」
その時、手首を掴んでいた手が離れた。
と同時に、雲に隠れていた月が顔を出し、あたし達を照らし出した――。
「…う、そ……。」
―今、あたしの視界に映るモノ……
「…さぁ、大人しく来るのだ!」
それは手に刀を持ち、髪は一つに束ね、あたしを睨む侍のような男だった――。