優しい声
「早速、出生届出してくるからな」

小さく囁く健吾の声に頷いて、空っぽになったお腹に手をあててみる。

ずっと一緒に過ごしてきた桜がいない今、ホッとする反面寂しく思う自分のわがままな気持ち。

…生きてるって、なんて自己中心的で…素敵なんだろう。

まだ集中治療室で監視されてる私と保育器の中の桜。

いつ会えるのかわからないけれど…早く会いたい。

抱きしめたい。

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