ビター・ビター・チョコレート
「今度、慧ちゃんママにそれとなく聞いて見るね」



「うん。よろしく」




「……まあ、あなたたちずっとベッタリだったし。始まりが早かったから、もう倦怠期なのかもね」



「倦怠期どころじゃないよ。あっちはもう彼女いるし。元には戻らないから。私だって……カレシいるし」




「そう……なんだか寂しいわね」


お母さんは、哀しそうに俯いていた。



慧人は、お母さんの自慢でもあった。



『あーんなカッコイイ息子ができるなんて嬉しいわ』


と、よく言っていた。



まるで結婚前提みたいで。それが当たり前のように――。




「あ、これも捨てていい?」



私は、居間に飾ってある写真立を指差す。




二年前に、慧人の家族と一緒に行った旅行の集合写真だ。



お父さん、お母さん、私、慧人のお父さん、慧人のお母さん、慧人。




あの晩は、お互い一人っ子だから将来は六人で暮らそうか――なんて、話していたのを思い出した。



両親同士が盛り上がっていただけだけど。



私も――当然、そうなると思っていた。
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