ビター・ビター・チョコレート
「お母さん、ダンボールある?」



台所に下りて、母親に聞いた。



不思議そうに、「なんで?」と聞かれる。




「ちょっと……部屋の衣替えしようかと」




「ふーん。ちょっとならあるけど、そんなに大きなのはないわよ」



「小さくてもいいから、ちょうだい」




「それはそうと……」



お母さんが、口ごもる。



鍋に視線を戻した。




「最近、慧人君とは一緒にいないの?」



……そんなの一ヶ月以上も前からなのに。



何を今更……。




「私から離れたいって言われた」



「そう……。あんた、最近、元気なかったものね」




「慧人の家にある私のもの、そのまま置いてきちゃったんだよね。もう、捨てられてるかな?」
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