謝罪人 Kyouko スピンオフ小説
「・・・・・・」
急な拓也の態度に女も仰天した。

店のスタッフも拓也の行動を目をそらさず見ていた。
拓也は、しばらく頭を下げた状態が続いた。

なんとか、この場を治めたい。
拓也は、願うように謝罪した。
 
「もういいわ・・・・・・許してあげる」
女は、魔法にでもかかったように穏やかになって静かな声で言った。

「えっ! 」
拓也は、女の言葉に反応するように頭を上げた。

「彼に伝えておいてくれる・・・・・・私も悪いところがあったみたいだから、今回は忘れることにするって・・・・・・」
と、言って女は拓也に背中を向けた。

女が振り返る。

「何か不思議な感じがするわ・・・・・・あなたの謝罪は、私の心に響いたわよ・・・・・・」
と、女は思い出したように拓也に言って店を出て行った。







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