謝罪人 Kyouko スピンオフ小説
拓也は席に戻った。

女がいなくなって緊張が一気に取れて、そのまま、しばらく座りこんだままだった。
全身から力が抜けてしまったようで、拓也は席を立ち上がれなかった。

体じゅうが汗でベッタリしている。
さっきまで女の殺気のような雰囲気に飲み込まれて、暑さも感じなかった。
 
拓也は、グラスの水を一気に飲みほした。
すると、さきほどまで激しく動いた心臓の鼓動も一気に治まった。





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