黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】


失神したかと思われた男はむくっと立ち

「──黒アゲハ……覚えてろ」


そう言って消え去った。


「とうとう、結奈にも通り名がついたみたいね」


京香はにこっと笑い「あとはよろしく♪」とだけ言ってバイクで去った。


──そして今に至る、というワケ

「黒アゲハなんてかっこいいじゃない〜」


玲奈は目を輝かせて言う。


「黒アゲハ、か……」


あたしはもう、
  この世界から逃げられなくなってしまった──…


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