奇跡 〜LovePiece〜
「昨日は本当にゴメンなさい!!あの…これ。」


とっさに、薫風の後ろに隠れた。
差し出された手には、あたしの定期ケース。


「あっ!」


あたしより先に薫風がその定期ケースを取ってくれた。

「あんた誰?まぁどうでもィィケド、こいつの定期ケース届けてくれてサンキュー。」


薫風は少し怖い顔で言った。


「お前も隠れてないで、一応礼言え。」


あたしは、覚悟を決め薫風の前に出て


「届けてくれて、ありがとう…ございます。」

小さい声で礼を言った。


「いや!!俺が最低な事しちゃったんだ…本当ゴメンな…」


あたしは、無理して笑顔を作った。


「いぇ!!気にしないでください。」


そう言って薫風の手を引き急いで教室に向かった。


「おぃ!」

薫風の言う事を無視して、走った…
心臓がバクバク。
おかしくなりそうだった。
でも冷静を装い、薫風にはあの男の事は流して話した。


走ったかいも虚しくあたし達、2人は遅刻となってしまった…
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