奇跡 〜LovePiece〜
「ぅ・・いってェ〜。何処だここ?」


「あっ…あの、保健室です。」


あたしがそう言うとその人は、顔を上げてあたしを見た。

その時気がついた…
あたしは焦ってたから、気付きもしなかった。
その人があたしのファーストキスを奪ったあの人だった事に…

『あっ!!!』

あたしとその人は同時に気付き、お互い驚いた。


重い沈黙…

嫌なこの沈黙を破ったのは、あたしの目の前にいるその人だった。


「あの時は、本当に本当にゴメン!!!!」


本当に申し訳なさそうに謝ってきた。


あたしは、怖いはずなのに自然と笑顔で…


「気にしないでくださいって言ったじゃないですか。」

口が勝手に動いた。


「嘘だ!君のその笑顔…無理してる。今日、校内で見た君は、友達の前でも無理して笑ってる時があったよ…」

何言ってるのこの人…
おかしいんじゃないの!って思いながらも、心臓が高鳴っていくのがわかった。
「なっ何言ってるんですか!変な事言わないで!!」


何かが怖くて、逃げるように立ち上がった時、足に激痛が走り転んでしまった。
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