奇跡 〜LovePiece〜
「痛ァァッ!!」

あたしがそう言うと、その人がベッドから下りてあたしを椅子に座らせくれた。

何故か…
あたしは泣きそうだった。

「大丈夫??足…」


「大丈夫です!あの失礼します!!」


あたしがまた立ち上がろうとすると、強い力があたしを掴んだ。


「君は…何か我慢してるの?無理しないで。そんな哀しい笑顔見てられない。何かあるなら聞くよ…。」


優しい声でそう言った。


あたしはいつも間にか、涙が溢れていた…




いつからだろう??
自分の気持ちを押し殺して、笑顔を作るようになったのは・・・

いつからだろう??
人前で泣くのを我慢するようになったのは・・・


いつの間にか、笑顔を作るのが当たり前になっていた。自分でも気付かないくらい無意識に…



自分でもわからなかったのに…
何故この人はわかったの??


怖かったの…
嫌われるのが。
面倒くさいって捨てられるのが。
自分の中で固めてきたものが崩れてしまいそうで…


お母さん…
あたしは、お母さんに嫌われないためにいつも笑顔の仮面をかぶる事にしたんだったよ。



お母さん・・・
< 23 / 61 >

この作品をシェア

pagetop